2004-01-01から1年間の記事一覧

フェージング(図 M)

伝搬媒質の屈折率や減衰率が時間的に変動したり、送受信点が移動したりすることで、受信に影響がでることをフェージングといいます。 フェージングにはいくつかの種類があります。 シンチレーションフェージングは空気の対流によって起きるものです。大気の…

回折波(図 L)

送信アンテナから受信アンテナへ向かう際に、山岳などで折れ曲がるようにして――回折現象を起こして届いたものを回折波といいます。 遠距離通信では地表での回折を通しての通信が可能になります。 近距離ではビルや山などの回折が問題になり、ゴースト現象な…

直接波と地上反射波(図 k)

送信アンテナから受信アンテナへ直接伝搬する波を直接波、一度大地に反射して受信アンテナに伝搬する波を反射波といいます。 経路を幾何光学的に求めることができます。一番ポピュラーな経路で、伝送の効率がよく予想しやすいという特徴があります。 地球は…

地表波(図 k)

地表波は地上波の一つで、地球の大地の表面に沿って伝搬する電磁波のことです。 アンテナ高が高い場合は直接波と反射波の影響が大きく、地表波はほとんど考慮されません。垂直偏派で送受信アンテナ高が波長以下の場合のみ考慮されます。 大地と接する地表か…

マイクロストリップ線路(図 j)

誘電体を金属板と細い金属ライン(ストリップライン)でサンドイッチにした伝送路です。 誘電体は数mm以下の厚さで、テフロン、アルミナ、エポキシなどが用いられます。 外部に電磁気が漏れやすい、不平衡系伝送路のため同軸ケーブルとの接続が容易、開放型伝…

同軸線路(図 i)

同軸線路は内部導体と外部導体の2重になった伝送線路です。 内部導体は単線や撚線です。 外部導体は細い導線のメッシュや、銅パイプです。 内部と外部の間にはポリエチレンやテフロンなどの誘電体が挿入されます。 特性インピーダンスが50Ω、75Ωのものが多…

導波管(図 h)

導波管は金属の中空パイプで電磁波を通す伝送線路です。 形状は円形、方形などがあります。主に方形導波管が用いられ、円形は回転部などの特殊な目的で用いられます。 導波管は直径から決まる特定波長以上の電磁波を通さないため、直径は利用方法から導かれ…

光ファイバ(図 g)

光ファイバは石英やプラスチックを材料とした伝送路で1μm以下の波長の伝送を行うための伝送路です。 屈折率の異なるコアとクラッドでなっており、コアに入射した電磁波(光)は光ファイバ内を全反射しながら進行します。保護のため、不透明なジャケットに覆…

オフセットアンテナ(図 f)

反射型アンテナのひとつで、アンテナ開口面外に一次放射器を設置したものです。 パラボラアンテナではアンテナ開口面に一次放射器、給電器、支持柱があり特性を悪化させていました。これを改善したものです。 パラボラアンテナよりも低サイドローブである特…

カセグレンアンテナ(図 e)

複反射鏡アンテナのひとつで、副反射鏡に双曲面を用いたアンテナです。 反射型アンテナであるパラボラアンテナの改良版と云えます。 高帯域で利得が高い、パラボラアンテナよりも伝送損失が少ない、一次放射器に直接入射するノイズが少ない開口面での電力分…

ホーンアンテナ(図 d)

金属からなる導波板の一端を広げた形状のアンテナです。 形状や材質で幾つかに別れます。形状では円錐、角錐、E型、H型ホーン。正方形で偏波が対角線方向に向いたダイアゴナルホーン、ホーンの内側に円周に添って導体溝を取り付けたコルゲートホーン、誘電…

マイクロストリップアンテナ(図 c)

接地板、誘電体板、アンテナ導体からなるアンテナです。 溶接石英、アルミナセラミックス、プラスチックなどからなる誘電体板の下部一面に金属(接地板)を張ります。上部に周囲長1λの金属ストリップを張り付けます。金属ストリップへは誘電体に穴をあけたり…

八木宇田アンテナ(図 b)

東北大学の八木秀二と宇田新太郎によって発明された配列アンテナです。 反射器、放射器、導波器の組み合わせで出来ています。 放射器は電源を接続した給電素子で、半波長ダイポールアンテナが多く用いられます。 反射器は放射器よりもやや長い無給電素子で、…

ダイポールアンテナ(図 a)

ダイポールアンテナは電送線路を直線に配置したアンテナです。 最も基本的なアンテナで、線に直行する方向にドーナツ上に利得を持ちます。 半波長ダイポールのピークゲインは2.15dBで、無指向性になっています。 ユニポールアンテナや八木宇田アンテナの基礎…

第7層 アプリケーション層

アプリケーション層がデータをどう利用するのかを定めます。 サーバにあるデータを利用するプログラムを考えてみます。HTMLデータを綺麗にブラウザに表示して欲しいっときがあるでしょう。このときはHTMLをハイパーテキストとして利用するプロトコル(HTTP)…

第6層 プレゼンテーション層

プレゼンテーション層はどんなデータを送るのかを定めます。 画像データ、文章データなど色々なデータがあります。それをビット列に変換しなくては通信できません。また、ビット列のままでは意味がわからないので、画像などに戻す必要があります。そのための…

第5層 セッション層

セッション層はどのように通信を初めて終わるのかを定めます。 電話であれば受話器をとることが電話番号を伝える通信のスタート合図で、受話器を置くことが通信の終了合図です。どんな信号で通信を初めて終わるのか決めます。 通信にはトランシーバーのよう…

第4層 トランスポート層

トランスポート層はデータを確実に届けるための方法を決めます。 データがバラバラの順番できたり、一つ足りなかったりすることがあります。そのときにどうするのかを定めます。 データはケーブルを通ってまとめてやってきます。黒電話のように音声データが…

第3層 ネットワーク層

ネットワーク層はネットワークの向こうの相手にデータを送るための方法を決めます。 データのやりとりをしたい相手が、ケーブルを隔ててすぐ隣にいるとは限りません。網の目のようなネットワークの向こうにいることもあるでしょう。そのときに、どんなルート…

第2層 データリンク層

データリンク層はケーブルで直接繋がった相手に確実にビット列を送るための方法を決めます。 ケーブルのなかには1対多で通信するものがあります。相手に識別番号が付いていれば、誰と通信しているか確実に分かります。このように自分がちゃんと目的の相手と…

第1層 物理層

LANケーブル、光ファイバー、電話線。デジタルネットワークを構築するためには色々な線があります。物理層はそようなネットワークの物理的な信号や接続方式を定めるためのプロトコルです。 電圧、光の点滅といった信号のうちどれを利用するのか。どんな基準…

OSI参照モデル会議

OSI参照モデルはデジタルデータ用ネットワークの機能を、理解しやすいように切り分けたものです。 どんなケーブルを使うのかといった物理的なことから、どんなソフトがどんなデータをやりとりするのかといったデータ的なものまで7つの層(レイヤー)に分けて…